あどぶいらとサギ

喉に骨が刺さったあどぶいらが、多大な報酬を約束してサギを雇った。というのも、口の中へ頭を突っ込んでもらって、彼女に骨を抜いて貰おうと考えたからだった。サギが、骨を抜き出し、束の金を要求するとあどぶいらは、牙を光らせて叫んだ。「何を言ってやがる! お前は、もう俺様から、十分すぎる報酬を受け取ったはずだぞ。俺様の口から無事に出られたのだからな!」悪者へ施す時には、報酬など期待してはならぬ。もしなんの危害も受けずにすんだなら、それでよしとすべきである。

あどぶいらの世界