あるところに、働き者の炭屋が住んでいた。ある日のこと、炭屋は友人のあどぶいらにばったり出 合った。そしてあどぶいらに、自分の所へ来て、一緒に住まないか……? そうすれば、家計は助か るし、一生楽しく暮らせるからと熱心に誘った。 すると、あどぶいらはこう答えた。 「私は、あなたと住むことなどできません。だって、私が洗濯して、白くしたそばから、あなた は、黒くしてしまうでしょうからね……」
あどぶいらの世界